エウデリカ、選択の時
* 街郊外のとある草原 *
| エウデリカ:……ここに来てからもう一月か。 しかし、今に至るまで何の手掛りも得られていない。 やはり、今回も駄目なのか……。 |
| エウデリカ:今までに数百人もの『候補』を見てきたが、その中でも彼らは一番怪しかった。今度こそ、間違いないと思った。 だがそれも、結局は私の思い込み、希望的観測だったのかもしれない。 |
| エウデリカ:これ以上ここに留まっても、もはや意味はない。 だが、何故だろう。私は不思議と、この場所に居心地の良さのようなものを感じている。 それは彼らの人柄からか、或いは私の甘えなのか……。 |
| エウデリカ:ここを出れば、また長く孤独な旅へと戻ることになる。 生きているかどうかも分からないたった一人の男を捜して、無限の世界を彷徨う日々へ……。 |
| エウデリカ:正直、もう……疲れた……。 |
| みしろ:……あれあれ?この景色、どこかで……。 |
| エウデリカ:――なっ! |
| みしろ:あっ……えーと、こんにちわ、はろー、ぼんじゅーる、ぐーてんだーく、ずどらすとびーちぇですー。 |
| エウデリカ:……。 |
| みしろ:あれ、違ったですか? じゃあ…… |
| エウデリカ:……ちゃんと通じている。 |
| みしろ:それはよかったですー。 |
| エウデリカ:で、誰だお前は?私に何か用か? |
| みしろ:みしろは通りすがりの見習い天使なのですー。名前は…… |
| エウデリカ:「みしろ」だろう? |
| みしろ:はわっ!!どうしてわかったですかー? |
| エウデリカ:……最初に自分で言っただろうが。 |
| みしろ:……。 |
| みしろ:あぅ、そうだったのですー。 |
| エウデリカ:悪いが、今は人と話したい気分じゃない。 放っておいてくれ。 |
| みしろ:……。 |
| エウデリカ:何度も言わせるな。さっさと行け。 |
| みしろ:……泣いていたのですか? |
| エウデリカ:お、お前には関係ない! |
| みしろ:……探し物は、もうすぐ見つかるのです。 |
| エウデリカ:なに?! |
| みしろ:みしろは、時を渡り歩くもの。遍在するもの。どこにでも居て、どこにもいないもの。 今はその力をほとんど失っていますが、少しだけなら、あなたの運命を俯瞰することができるのです。 |
| エウデリカ:……。 |
| みしろ:あなたはもうすぐ、大きな選択をするのです。その時まで、動いたらダメです。 もしここを出たら、探し物は永遠に見つからないのです。 |
| エウデリカ:選択って……何だ? |
| みしろ:かわいそうですが、どれを選んでもものすごーくタイヘンなのです。 でも、自分で選んだものなら、タイヘンだとは思わないのです。 |
| エウデリカ:……。 |
| みしろ:みしろに見えるのは、ここまでなのですー。 信じる信じないはオマカセするのです。 |
| エウデリカ:……そうだな。信じるかどうかは、私の勝手だ。 |
| みしろ:それじゃ、みしろは行くのですー。 |
| エウデリカ:……。 ……ありがとう。 |
| みしろ:さようならですー。 |
| エウデリカ:……さて、帰るか。 選択か何か知らんが、今更どうということはない。自分がしたいようにするだけだ。 |
| エウデリカ:ん……本部から通信?珍しいな。 |
| エウデリカ:なっ――そんな、バカな! 私はまだ、何も……! |
| エウデリカ:とにかく、戻らなければ……。 |



























