エウデリカ、調査開始
* まゆらの家 *
| エウデリカ:……定時連絡。状況NKA B88 L53 Q87 ZGR。 QKL C85 N77 PJK ZVZ。 以上、交信終わる。 |
| まゆら:何してるの? |
| エウデリカ:……。 本部への連絡だ。 |
| まゆら:それって何かの暗号? |
| エウデリカ:我々が捜しているのは、極めて重要な存在だ。他の勢力に知られたり、増してや奪われるわけにはいかない。 |
| まゆら:ふ~ん。 |
| エウデリカ:ちなみに、今の連絡でお前達の存在は向こうに伝わった。 以後、定時連絡が一度でも途絶えれば、私の仲間がこの場所に殺到する。 私に危害を加えたり、逃げ出そうなどという考えは起こさない方がいい。 |
| まゆら:いや、私は別にリカちゃんと戦ったり逃げたりする理由はないんだけどね~。 |
| エウデリカ:待て。なんだその「リカちゃん」ってのは。 |
| まゆら:だって、エウデリカちゃんって呼びにくいでしょ。だから、今後はリカちゃんって呼ぶから。 |
| エウデリカ:かっ――勝手にヘンなあだ名を付けるな。迷惑だ。 |
| まゆら:いいからいいから。ハイ、決まり~。 |
| エウデリカ:はぁ……もう好きにしろ。 それより、お前はさっきから何をやってるんだ?もう2、3時間は続けているようだが。 |
| まゆら:ゲームだよ。リカちゃんもやる? |
| エウデリカ:下らん。今は遊戯に興じるような気分ではない。 |
| まゆら:そう?ただ見てるより、遊んだ方がオモシロイよ~。 |
| エウデリカ:余計なお世話だ。お前達の監視も仕事の内だからな。 |
| エウデリカ:……。 |
| まゆら:……。 |
| エウデリカ:……おい。 |
| まゆら:なに? |
| エウデリカ:そんなに長い間やって、よく飽きないな。 |
| まゆら:そりゃオモシロイからね~。 |
| エウデリカ:………………。 ……ちょっと、貸してみろ。 |
| まゆら:あ~、リカちゃんもやりたくなった? |
| エウデリカ:カン違いするな、これも調査だ。 |
| まゆら:ふ~ん、まあいいけどね。 |
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| エウデリカ:ガーッ!!なんだこのゲームは! こんなに弾を撃たれたらかわしようがないだろ! |
| まゆら:そんなのカンタンだよ~。 少しずつ動いて画面端まで引きつけてから、一気に切り返して弾の切れ目から抜けるの。 で、その時に前がガラ空きになるから砲台を壊して…… |
| エウデリカ:そんな手品みたいなマネができるか! |
| まゆら:大丈夫だよ~。練習すれば、すぐにできるようになるから。 |
| エウデリカ:むぅ……。 |
| 黒うにゅう:おー、やっとるな。 その様子だと、身体の具合は良さそうだな。 |
| エウデリカ:こんなケガ、ケガの内には入らん。 |
| 黒うにゅう:だったら、早く治してさっさと出ていって欲しいもんだな。 それはそうと、茶菓子を買ってきた。一服するぞ。 |
| エウデリカ:こっ……この匂いは! |
| 黒うにゅう:ん?もしかして好物だったか? |
| エウデリカ:い、いや……別に。 |
| まゆら:今日は3色ベリーのタルトだね~。 でも珍しいね。うにゅうがこんな豪華なお菓子買ってくるなんて。 |
| 黒うにゅう:まあアレだ、たまに食いたくなる時ってあるだろ。 |
| まゆら:それじゃ、いただきま~す。 |
| エウデリカ:……。 |
| 黒うにゅう:どうした、食わんのか? 要らんのならオレが…… |
| エウデリカ:だっ――誰も食べないとは言ってない! |
| 黒うにゅう:そんな噛み付くような顔しなくてもいいだろ。 |
| エウデリカ:……甘い物はあまり好きではないが、折角だから食べるとしよう。 |
| まゆら:どう、おいしい? |
| エウデリカ:おっ――! |
| 黒うにゅう:おっ? |
| エウデリカ:――いしくなくもないな。 まあ、私の故郷の店の方が数段上だろう。 |
| 黒うにゅう:甘い物は好きじゃないって言わなかったか? |
| エウデリカ:あーウルサイ!!細かい事を言うな! |
| まゆら:リカちゃんってオモシロイね~。 |
| エウデリカ:だから「リカちゃん」はやめろ! |
| エウデリカ:全く……アイツらといると異常に疲れる。 そもそも、どうしてあんなにも警戒心がないんだ?相当私がナメられているのか、あるいはワナなのか、それとも本当に能天気なのか……。 |
| エウデリカ:まあ、いずれにしろ私には好都合だ。向こうがあの態度なら、調査もやりやすくなる。 もっとも、今回も空振りに終わる可能性は高いが。 |
| エウデリカ:条件の近い者はことごとく洗い出した。にも関わらず見つからないということは、姿を変えて潜伏しているか、既に……死んでいるということになる。 だが、あのひとが死んだとは思えない。あの封印を使ってまで逃げ延びようとしたのだから。 |
| エウデリカ:第十六号無期限指定禁呪……封印の痕跡すら消滅させる究極の封印……但しその余波は術者と対象者にも及び、重大な変異をもたらす……。 せめてその変異とやらが分かれば、進展もあるというものだが……。 |
| 黒うにゅう:しかし、よりにもよってアイツが来るとはな。 |
| まゆら:誰なの? |
| 黒うにゅう:まあ、昔の仕事仲間といったところだ。 もうとっくに忘れていると思っていたが……まさかこれほどとはな。オレは少し勘違いをしていたかもしれん。 |
| まゆら:で、どうするの?これから。 |
| 黒うにゅう:いっそ、全てを話してしまうという手もあるが……今更、アイツに合わせる顔もないしな。 このまま諦めて帰ってもらうのが一番か。 |
| まゆら:もしかして、あのコが捜してるのってうにゅう? |
| 黒うにゅう:いや、オレじゃない。 ……少なくとも、今のオレではないな。 |
| まゆら:……??? |



























