エウデリカ、料理当番
* まゆらの家 *
| 黒うにゅう:ところで……。 |
| エウデリカ:ん? |
| 黒うにゅう:お前、いつまでここにいるつもりだ? ケガが治ったならさっさと帰れ。 |
| エウデリカ:私は引き続きここに残って、お前達を監視させてもらう。 言うまでもないが、お前達に拒否権はない。もし抵抗するようなら…… |
| 黒うにゅう:あー、分かった分かった。好きにしろ。オレらとしても面倒に巻き込まれたくはないしな。 部屋は自由に使っていいが、メシの事は知らんぞ。 |
| エウデリカ:元より、お前達の食事など当てにするつもりはない。 私より自分の心配をしたらどうだ? |
| 黒うにゅう:……確かに、みしろがいなくなってからロクなもん食っとらんな。 オレは簡単なものしか作れんし、結局外食かレトルトに頼っているわけだが。 |
| まゆら:リカちゃんは料理できるの? |
| エウデリカ:まあ、それなりに……って、なぜ私に聞く?! |
| まゆら:じゃあ、リカちゃんに作ってもらおうよ。 |
| エウデリカ:はぁ?! |
| まゆら:だって、他に作れる人いないしね~。 毎日カップラーメンでもいいなら、ムリにとは言わないけど。 |
| エウデリカ:あー、もういい。やればいいんだろう、やれば。 家にいながらにして非常食生活など耐えられるか。 |
| まゆら:それじゃ、ヨロシクね~。 |
| エウデリカ: ……全く、何なんだこの展開は。 |
| エウデリカ:結局、作らされる羽目になってしまった……。 こんな姿、本部の連中には見せられないな。 |
| まゆら:リカちゃんってエプロン似合うね~。 |
| エウデリカ:いいからあっち行ってろ。料理のジャマだ。 |
| 黒うにゅう:おい、メシはまだか。腹減ったぞ。 |
| エウデリカ:お前ら、何様のつもりだ!! |
| まゆら:でも助かったね~。これでしばらくご飯の心配はしなくていいよ。 |
| 黒うにゅう:さすがにインスタントも飽きたしな。 |
| まゆら:リカちゃんがこのままずっと居てくれるといいね~。 |
| エウデリカ:……。 で、何を作ればいいんだ? |
| まゆら:ハンバーグにオムライスにカレーに鳥のから揚げ……どれにしようかな~。 |
| 黒うにゅう:手料理といえば肉じゃがだろ。 |
| まゆら:決めた!オムライスにしよ~。 |
| 黒うにゅう:いやしかし、すき焼きも捨てがたい……。 |
| エウデリカ:お前ら、少しは意見を統一しろ。 |
| 黒うにゅう:それもそうだな。 ちょっと待ってろ。話をつけてくる。 |
| まゆら:すぐ済むから待っててね~。 |
| エウデリカ:……? |
* 10分後 *
| まゆら:お待たせ~。 というわけで、オムライスになったよ~。 |
| 黒うにゅう:くーっ、あそこで渾身のめくりアッパー昇龍が入っていれば……。 |
| エウデリカ:(何をやってたんだ?こいつらは……) まあいい。それじゃ、始めるか。 |
| 黒うにゅう:オレは向こうの部屋で待ってるから、しっかり作れよ。 |
| エウデリカ:偉そうに言うな。 |
| まゆら:リカちゃんは料理の手際がいいね~。 |
| エウデリカ:当然だ。勉強したからな。 |
| まゆら:わざわざ料理の勉強するなんてスゴいね~。 |
| エウデリカ:私のパートナーが多忙な人間で、ちゃんとした食事を摂っていなかった。 そのままだと健康に差し支えるから、それなりのものを作ってやろうと思っただけだ。 |
| まゆら:その人は、リカちゃんにとって大事な人なんだね~。 |
| エウデリカ:誰よりも大事な人だ。……いや、そんな言葉で言い表せるものではない。 私にとっての師であり、父であり、兄であり、命の恩人でもあり……とにかく、かけがえのない人だ。 私はずっと、何百年も、あのひとを捜してきた。あのひとは私のすべてだ。あのひとこそが私の生きる理由なんだ。 |
| まゆら:……。 |
| エウデリカ:あのひとは馬鹿で、頑固で、そのくせ飄々としていて、勝手気侭に振舞い周囲の者を困らせる、どうしようもない人間だった。 でも、本当は…… |
| まゆら:あ、フライパンから煙―― |
| エウデリカ:わーっ!! |
| まゆら:今、完全に自分の世界に入ってたね~。 |
| エウデリカ:そ、そんな事はない。ちょっとうっかりしてただけだ。 |
| まゆら:でも、リカちゃんがこんなにいっぱい喋るの初めて聞いたよ~。 |
| エウデリカ:まったく……成り行きとはいえ、つまらない事を話してしまった。忘れろ。 |
| まゆら:その人、早く見つかるといいね~。 |
| エウデリカ:……。 |
| 黒うにゅう:……。 で、なんでオレのオムライスだけ焦げてるんだ? |
| エウデリカ:イヤなら食うな。作ってもらえただけでも有り難いと思え。 |
| 黒うにゅう:お前は……。 |
| まゆら:それじゃ、いただきま~す。 ん~、オイシイ~。 |
| 黒うにゅう:まあ、ガマンすれば食えなくもないな。 |
| エウデリカ:……ムリに食べなくてもいいぞ。 |
| まゆら:明日はハンバーグとカレー、どっちにしようかな~。 |
| エウデリカ:……食べてるうちから明日の晩飯の事を考えるな。 |



























